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【書評】宮沢賢治の軌跡を父親を通じて描く 『銀河鉄道の父』門井慶喜著

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【書評】
宮沢賢治の軌跡を父親を通じて描く 『銀河鉄道の父』門井慶喜著

『銀河鉄道の父』門井慶喜著 『銀河鉄道の父』門井慶喜著

 宮沢賢治は、いかにして国民作家といわれるほどの詩人、童話作家になったのか。その軌跡を賢治の父親、政次郎を主人公に描く。

 岩手・花巻で家業の質屋と妻、長男の賢治ら2男3女を守る政次郎。幼い賢治が重病にかかれば、わが身を顧みず看病し、子供たちが望めば、自らは断念した進学も許す。「父でありすぎる」ほどの家族愛と当主としての責任、あり方のはざまで苦悩もする。

 そんな父親に抗(あらが)うように賢治は家も継がず、紆余(うよ)曲折の日々を送るが、やがて、その複雑な感情から創作意欲があふれ…。「子育て小説」ともいえる意欲作だ。(講談社・1600円+税)

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