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宮城谷昌光さん長編「呉漢」 小石を黄金に変えた大志

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宮城谷昌光さん長編「呉漢」 小石を黄金に変えた大志

◆「爽快さ」描いて

 「歴史のメカニズムから入ろうとすると、小説は硬直化する。基本はやはり人を書くこと。だから『時代を理解しすぎないこと』が自分の作家としての戒めです」

 長いキャリアに裏打ちされた言葉の端々に、歴史小説を書き続ける厳しさと喜びがにじむ。「現代小説だと(登場人物の)非凡さは不合理なものにうつる。でも歴史小説では非凡さが爽快さや格好良さにつながる。『格好いい男』なんて現代小説では書きようがない」。そう言って相好を崩した。「小説に登場する人間によって自分の『幅』が広がる。呉漢みたいな人とめぐり会えると、うれしいなと思います」

                  

【プロフィル】宮城谷昌光

 みやぎたに・まさみつ 昭和20年、愛知県生まれ。平成3年に『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。5年に『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、12年に司馬遼太郎賞。13年には『子産』で吉川英治文学賞を受けた。『奇貨居くべし』『三国志』など著書多数。

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