産経ニュース

【話の肖像画】日系2世の政治学者・ダニエル・オキモト(1) 日本は大変革の波に乗れ

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
日系2世の政治学者・ダニエル・オキモト(1) 日本は大変革の波に乗れ

 〈太平洋戦争の最中、敵国日本の血を引く日系2世として生まれた。差別されながらも勉学に励み、名門スタンフォード大学の政治学者として40年以上にわたり日本を研究。今、「もう一つの祖国」日本の未来に警鐘を鳴らしている〉

 スタンフォード大は、私が教鞭(きょうべん)を執り始めた1973年ごろから大きく変貌しました。大学はIT産業発祥の地であるシリコンバレーの中心地にあり、これまでに多くの新会社を設立しました。大学の卒業生たちがその中心的人材となったのです。半導体やコンピューター、電信技術は、技術革新の核心的な部分になると認識しました。

 日本は70年代、80年代は電子産業分野が非常に強かった。しかし、日本の大企業とシリコンバレーの手法はまったく異なりました。シリコンバレーでは、失敗を恐れずにリスクをとり、挑戦することがよしとされました。判断と実行のスピードが重要でした。失敗を受け入れることも大切なことでした。決断力や敏捷(びんしょう)さ、リスクをとることが何よりも求められました。

 一方、日本企業は官僚的で、判断が遅く、リスクを避ける。まったく逆でした。日本企業は製造技術と規模に大きな自信と誇りを持っていました。しかし、素早く決断して動きが速い小さな企業が、日本の大企業が相手にしなかったニッチなマーケットを次々と開拓し、支配して新しい技術や商品を開発するようになりました。小さな企業が新分野を生みだし、世界に新しい産業をつくり出したのです。

続きを読む

関連ニュース

「ライフ」のランキング