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【王室外交物語】コモンウェルスの女王陛下 「首長」として各国の調停役担う 関東学院大教授・君塚直隆

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【王室外交物語】
コモンウェルスの女王陛下 「首長」として各国の調停役担う 関東学院大教授・君塚直隆

 2015年11月、地中海に浮かぶ小さな島国マルタに世界中から首脳たちが集まった。南極を除いた地球上のすべての大陸や島々から集結した彼らは、2年に1度ずつ会議を開いている。英国とかつてその植民地だった国々からなる「コモンウェルス(旧英連邦)諸国首脳会議」である。

 1953年からその首長を務めるのが英国のエリザベス女王陛下。当時89歳の女王にとってマルタは思い出の土地である。49年から2年近くにわたって、若き海軍大尉フィリップ(エディンバラ公)が赴任する同地に妻として滞在していたのだ。それから六十有余年を経た会議の席には、94歳になった老公の姿も女王の傍らにあった。

 会議には「新顔」の首脳もいた。この年に43歳で首相になったばかりのカナダのジャスティン・トルドーもその一人。父で同じく首相だったピエールに連れられて、女王陛下に謁見したこともある「あの少年」が首相になっていた。夕刻の晩餐(ばんさん)会での女王の演説には「カナダの首相閣下! 私が年寄りだということを思い出させてくださってありがとう!」とのユーモアたっぷりのひと言が添えられた。会場は大爆笑となった。しかし若き首相はすぐに切り返した。「とんでもない。陛下は永遠にお若いです!」

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