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【正論】科学の営みが示した放射線被曝の結論 「報告」を読み論文の数と6年の歳月の試練に耐えた重みを評価する 東洋大学教授・坂村健

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【正論】
科学の営みが示した放射線被曝の結論 「報告」を読み論文の数と6年の歳月の試練に耐えた重みを評価する 東洋大学教授・坂村健

 科学は間違える。「科学=真実」ではなく「真実に近づくための営み」にすぎないからだ。しかし、だからこそ「間違い続ける」こともない。論文、博士号、学会、引用、査読、追試といった「システム」はそのために存在する。その不断の検証サイクルにより、いつかは間違いは正される-と期待し、真実である確率を少しでも高めるための営みが科学だ。

 「報告」を読めば、それを「真実」と仮定してもいいだけの十分に高い確率が示されたというのが、専門家のコンセンサスであると分かる。不確かなことを結論めいて書けば、まず飛んで来るのは同じ分野の「システム」からの集中砲火だからだ。

 数年前なら、専門の違う私では、とても結論めいたことはいえなかっただろう。しかし今は「報告」を読み、査読を通った論文の数と6年という歳月の試練に耐えた重みを評価し、これを「結論」としていいと考えている。

 (東洋大学教授・坂村健 さかむらけん)

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