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【佐藤優の世界裏舞台】旧世代の教育を受けた者は競争に敗れる! 衆院選で「教育大改革」が議論されない不思議 五輪より学習指導要領改定が重要だ

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【佐藤優の世界裏舞台】
旧世代の教育を受けた者は競争に敗れる! 衆院選で「教育大改革」が議論されない不思議 五輪より学習指導要領改定が重要だ

大学入試改革に取り組む文科省=東京都千代田区(瀧誠四郎撮影) 大学入試改革に取り組む文科省=東京都千代田区(瀧誠四郎撮影)

 本日投開票が行われる衆議院議員選挙で、2020年から始まる教育の大改革が議論されていないのが不思議だ。20年というと東京五輪・パラリンピックのことばかりが話題になるが、日本の社会と国家の将来について考えると、もっと重要なのが文部科学省による小中高校における教育の基準になる学習指導要領の改定だ。

 小学校は20年度、中学校は21年度、高校は22年度と段階的に導入される。過去に何度も行われた学習指導要領の改定で大きな変化がなかったため、今度の改定が過小評価されているように思えてならない。

 日本の教育は、大学入試制度が変わるときに大きく変化する。20年に大学入試センター試験が廃止され、「大学入学共通テスト」が始まる。新しい試験にはマークシート式に記述式が加わる。さらに英語では「読む・聞く」に「話す・書く」を加えた4つの技能が試験される。英検、TOEIC、TOEFLなどの民間試験が導入される。数学でも記述式問題が出題され、国語でも小論文を書く力が求められる。

 現在の大学入試は1979年に共通1次試験(センター試験の前身)の導入によって作られた形である。その結果、マークシート式の試験が普及した。この方式だと受験者が正確な知識をもっているか否かについては判断できるが、思考の過程は検証できない。

 記述能力も低下する。これでは思考力や表現力を児童・生徒が主体的に育むことができないので、グローバリゼーションが急速に進み、変化が激しい社会状況に対応できなくなる。そのため、今回の大学入試改革と学習指導要領改定が行われたのだ。この方向性は正しい。

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