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【科学】iPS細胞のDNA変異は「良性」 理研などがゲノム解析で突き止める

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【科学】
iPS細胞のDNA変異は「良性」 理研などがゲノム解析で突き止める

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製時に生じるDNAの変異の大半が、がん化と無関係な「良性」であることを理化学研究所などの研究チームがゲノム(全遺伝情報)の解析で突き止めた。がん化につながる可能性がある変異は全体の3%未満と少ない。iPS細胞を使った再生医療の追い風となりそうだ。

 iPS細胞は、皮膚などの体細胞に特殊な遺伝子を導入して作る。その際にDNAの塩基配列に変異が起きてがん化する懸念が指摘されていたが、詳しい分析はされていなかった。

 研究チームは、ヒトのiPS細胞9個のDNAを元の体細胞と比較。見つかった5448カ所の変異のうち、遺伝子の働きに関わる部分に生じ、がん化につながる可能性があるのは最大134カ所だった。変異後、直接的にがん化を引き起こす遺伝子になったものは見つからなかった。

 この方法で再生医療に使うiPS細胞を調べ、遺伝子の働きに関係する部分に変異があるものを取り除けば安全性は高まるという。

 理研の村川泰裕ユニットリーダーは「再生医療への利用には慎重な安全性評価が必要だが、DNAの変異を過剰に心配する必要はない」と話している。

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