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【科学】京大などゼニゴケのゲノム解読 陸上植物の進化の謎解明へ

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京大などゼニゴケのゲノム解読 陸上植物の進化の謎解明へ

ゼニゴケ(大和勝幸・近畿大教授提供) ゼニゴケ(大和勝幸・近畿大教授提供)

 庭先でよく見かけるコケの仲間で、陸上植物の祖先の特徴を持つ「ゼニゴケ」のゲノム(全遺伝情報)を京都大、近畿大などの研究チームが解読した。陸上植物の基本的な遺伝子を備えており、進化や品種改良の研究に役立つという。米科学誌に論文を発表した。

 陸上植物は5億年前、水中にすむ藻類が陸上に進出して誕生した。ゼニゴケは当時の植物の特徴をとどめており、500年前から重要な研究対象とされゲノムの解読が期待されていた。

 解析の結果、藻類より多い約2万個の遺伝子を持つことが判明。光を利用したり、紫外線の悪影響を防いだりするものなど、陸上で生きていく上で必要な遺伝子を獲得していた。陸上植物に共通する遺伝子の機能が分かれば、進化の謎や基本的なメカニズムの解明につながる。

 実験用の植物として広く使われるシロイヌナズナはゲノム中に類似の遺伝子をたくさん持っているが、ゼニゴケは非常に少なく、遺伝子の機能を調べやすいことも分かった。

 京大の河内孝之教授は「ゼニゴケを新たな実験用植物として使えば植物研究は大きく進展し、成果を農作物の改良に応用できる」と話している。(伊藤壽一郎)

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