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【話の肖像画】コメディアン・小松政夫(1) 植木等さんとの出会い 一生この人についていく

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【話の肖像画】
コメディアン・小松政夫(1) 植木等さんとの出会い 一生この人についていく

小松政夫さん(飯田英男撮影) 小松政夫さん(飯田英男撮影)

 今の若い人が「忙しい、忙しい」と言うけれど、その頃のボクらの毎日はケタ違い。何しろ2、3日の徹夜は当たり前。1週間で計10時間しか睡眠時間がないんですから。忙しくて給料も減ったけど、大好きな仕事ですからまったく平気なんです。現場も熱くて一生懸命だった。1つのコントを考えるのに5、6人の放送作家にアイデアを出させて、丁々発止でやり合うんです。「こんなの面白くない」ってタレントが台本を破ったり、「ならば、お前が考えてみろ!」と演出家が激怒したり…。

 〈そのうちに「面白い男がいる」と評判を呼び、少しずつ出番をもらえることに。それを植木が懸命にバックアップしてくれていたことを知る〉

 本来なら話もできないような大スターから「キミが小松君か。植木さんから話をよく聞くよ。面白いんだって」なんて声を掛けられることもたびたび。クレージーキャッツ公演の幕間(まくあい)に淀川長治さんのモノマネをやり、初めてウケたときは皆さんが自分のことのように喜んでくれた。温かいんですよ。

 先輩から飲みに誘われると、デートの約束があってもついていきました。今日はどんな面白い話を聞かせてもらえるのかなって。今じゃ若い人を誘うと、「命令ですか」と言われることもある。「命令じゃない。だけどもう二度と誘わないからな」ってね(苦笑)。(聞き手 喜多由浩)

【プロフィル】小松政夫 こまつ・まさお 昭和17年、福岡県出身。自動車セールスマンなどを経て39年、人気絶頂だったクレージーキャッツの植木等(平成19年、80歳で死去)の付き人兼運転手に。テレビ「シャボン玉ホリデー」でデビュー、伊東四朗との掛け合いによるコントやさまざまなギャグで人気コメディアンとして活躍。俳優としても多くのドラマ、映画に出演している。新刊に「昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年」(KADOKAWA)。植木との物語はNHKドラマも放映中。日本喜劇人協会会長(3期目)。

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