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【怖い絵展】〝ブラッディ・マリー〟が最初に処刑した「イングランド初の女王」 劇的、謎深まる悲劇のヒロイン…「レディ・ジェーン・グレイの処刑」

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【怖い絵展】
〝ブラッディ・マリー〟が最初に処刑した「イングランド初の女王」 劇的、謎深まる悲劇のヒロイン…「レディ・ジェーン・グレイの処刑」

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの学芸員、クリストファー・リオペルさん(岡部伸撮影) ロンドン・ナショナル・ギャラリーの学芸員、クリストファー・リオペルさん(岡部伸撮影)

 ヘンリー8世の姪(めい)の娘にあたるジェーンは、父と舅(しゅうと)の野心の犠牲となって女王に据えられ、権力闘争と宗教対立という時代の荒波に翻弄された。しかしメアリー1世の死後、カトリック復帰運動は下火になり英国国教会は国家宗教として確立された。その過程でジェーンは悲劇のヒロインとして美化された。

 1833年に完成した本作は翌年、パリのサロン(官展)で発表され、ドラローシュの出世作となった。ロシア人富豪が購入したことでいったん人々の記憶から消えるが、70年に英国人が入手し20世紀初頭にナショナル・ギャラリーに寄贈したことで、留学中の漱石も鑑賞できた。

 しかし1928年、悲劇は起こる。テムズ川が氾濫し、他の作品とともに行方不明となったのだ。「半世紀を経た73年、若い学芸員が保管庫から無傷で発見したのは奇跡だった。以来、恐怖で身震いする絵画として人気を集めている。ぜひ日本の人々にも本物をじっくり見てもらいたい」とリオペル氏は話している。(ロンドン 岡部伸)

                  

 「怖い絵」展は7日から12月17日まで、東京都台東区の上野の森美術館で開催。会期中無休。当日券は一般1600円、大学生・高校生1200円、中学生・小学生600円、小学生未満無料。問い合わせはハローダイヤル(電)03・5777・8600。

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