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【からだのレシピ】東大が公開シンポ 動物用いて老化メカニズム解明へ

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【からだのレシピ】
東大が公開シンポ 動物用いて老化メカニズム解明へ

 人が年をとっても健やかに過ごすためのヒントとは-。食品機能の分析を通して、人の老化メカニズムを考える東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻・食と生体機能モデル学講座による公開シンポジウム「老いの科学~動物モデルを用いたアプローチ~」が8月23日、東京都文京区の同大弥生講堂一条ホールで開催された。衰える記憶力の謎など、最先端研究への取り組みが紹介された。

 食と生体機能モデル学講座は、健康食品開発・販売のフォーデイズ(東京都中央区)の寄付講座で平成25年に開設された。

 食品や飼料が持つ本来の機能を明らかにするためには、動物モデルを用いた基礎研究が不可欠だという。講座ではネズミやシバヤギといった実験動物を飼育する同研究科付属牧場(茨城県笠間市)を拠点に、動物を適正かつ効果的に用いる研究手法を確立する。

 その上で、アミノ酸をはじめとする食品成分の新たな働きを発見し、人や動物への作用を検討していく。将来的には認知症の病態解明をはじめ、加齢とともに進行する脳機能低下の食による改善などを模索するという。

 シンポジウムでは、伊藤公一特任准教授が「加齢動物の記憶・学習メカニズム」と題し、老化促進マウスを使って記憶力低下の仕組みを解き明かそうとする研究を発表。また、山中大介特任助教は、アミノ酸不足によって、脂肪が蓄積しやすくなることに触れ、「生活習慣病の予防につなげていきたい」と抱負を語った。

 ほかにも、加齢に伴い心身活動が低下する状態「フレイル(虚弱)」と血管年齢の関連やマウスを用いたアルツハイマー病研究、牛の繁殖能力に影響するひづめ管理の重要性など、幅広いテーマが取り上げられた。

 伊藤特任准教授は「エイジングのメカニズムが研究キーワード。目的に応じた動物モデルを用いて、新たな食品成分の探索とその機能を明らかにしていきたい」と話していた。

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