産経ニュース

【話の肖像画】バレエダンサー ミハイル・バリシニコフ(4)共演した坂東玉三郎 演技だけでなく生き方そのものがすごい

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
バレエダンサー ミハイル・バリシニコフ(4)共演した坂東玉三郎 演技だけでなく生き方そのものがすごい

初共演を前に坂東玉三郎(右)と会見 =1998年、東京・銀座 初共演を前に坂東玉三郎(右)と会見 =1998年、東京・銀座

 〈旺盛なチャレンジ精神はバレエのジャンルにとどまらず、映画やテレビ、演劇にも活動の舞台を広げた。初の映画出演作となった「愛と喝采の日々」(1977年)では、プレーボーイのバレエダンサー役を好演。米アカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされるなど、俳優顔負けの活躍をみせた〉

 バレエダンサーと俳優。どちらの仕事に対しても、もともと私の中に備わっている本能を最大限に生かして挑戦してきました。本能とは胸のうちからあふれんばかりの強い思い、つまり、情熱です。困難な題材に果敢に体当たりしていく情熱を保つことが大事なのです。情熱を注ぐ対象が、無言で表現するバレエダンスであっても、声を発する俳優の演技でも、同じことが言えるでしょう。

 もちろん、バレエダンスと演技の間には大きな違いはあるでしょう。しかし、一生懸命に稽古に打ち込み、自分よりも経験豊富な人を敬い、先生の要求をよく理解し、それに応える-といった真摯(しんし)な姿勢は、バレエダンスや音楽、演劇といったジャンルの違いを問わず、大切なことだと思います。それは、私が若い頃からモットーとしてきた「パートナーには寛容であれ。自分には厳しい批評家であれ」ということです。

 〈98年には銀座セゾン劇場(現ル テアトル銀座)などで、歌舞伎俳優の坂東玉三郎との異色の共演を実現させ、双方のファンを驚かせた。4つの演目のうち「小鼓、太鼓と笛による舞」では、日本舞踊の動きに現代的な踊りの要素を盛り込んだ斬新なコンテンポラリー・ダンスを披露した〉

 実は、私は随分と長い時間をかけて日本文化を勉強してきました。60年代に能とは何かを調べたのが最初でした。訪日の際は、関係者に何度か能楽堂にも連れて行ってもらいました。能の内容はさまざまで、中国の古い詩や日本の故事をベースにした物語などがありました。歌舞伎座にもよく足を運びましたし、舞踏も鑑賞しました。

続きを読む

関連ニュース

「ライフ」のランキング