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【国語逍遥(89)】河内音頭 全国各地にも「殴り込み」を 清湖口敏

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【国語逍遥(89)】
河内音頭 全国各地にも「殴り込み」を 清湖口敏

会場いっぱいに広がる踊りの輪。錦糸町の夜が熱気に包まれた=8月31日、東京都墨田区(イヤコラセ東京 木島ヒロミツさん撮影) 会場いっぱいに広がる踊りの輪。錦糸町の夜が熱気に包まれた=8月31日、東京都墨田区(イヤコラセ東京 木島ヒロミツさん撮影)

 早速「全関東河内音頭振興隊」を結成し、企画した「河内音頭・東京殴り込みコンサート」は昭和57年、東京・渋谷のライブハウスと錦糸町のパチンコ店2階で実を結ぶ。以来35年。河内音頭の盆踊りは錦糸町の夏の風物詩としてすっかり定着し、本場にも負けない賑(にぎ)わいを見せている。

 河内音頭には決まった詞もなければ、旋律も節回しも自由奔放だ。1時間以上に及ぶ長尺の「河内十人斬り」や「悪名」などの定番のほか「無法松」に「国定忠治」、なかにはグリコ・森永事件や阪神タイガース優勝といった時事ネタを主題にした「新聞(しんもん)詠み」まであり、外題は無数だ。余談ながら私の十八番(おはこ)は「(紀国屋文左衛門の)蜜柑(みかん)の宝船」と「(坂田三吉の)将棋の鬼」で、周囲の迷惑も顧みず悪声と調子っ外れの一席を聴かせるのが私の至福のひとときである。

 それはさておき河内音頭は、花笠音頭や東京音頭などよく知られた日本各地の音頭とは大きく異なり、民謡ともまた違っている。

 「リズムがちがう、パワーがちがう、踊りがちがう」(朝倉著『走れ国定忠治』)。つまり河内音頭は説経節や義太夫節、謡曲、浪曲、講談、さらには前回の小欄でご紹介した「絵解き」などとも同じ系譜につらなる「語り」芸であり、盆踊り唄なのである。

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