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【大学ナビ】針路を聞く 東京女子大学・小野祥子学長

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針路を聞く 東京女子大学・小野祥子学長

 ■「専門性をもつ教養人」を育成 世界で活躍する自立女性輩出

 東京都杉並区にキャンパスを構える東京女子大学は来年、創立100周年を迎える。大正7年に北米のプロテスタント諸教派の援助のもと、新渡戸稲造を学長として建学され、キリスト教を教育の根本方針とし、人格教育を通じて「専門性をもつ教養人」の育成を目指している。小野祥子学長に今後の取り組みなどを聞いた。(編集委員 高橋昌之)

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 --これまで果たしてきた役割と今後の取り組みは

 「プロテスタントのキリスト教主義、女子に高等教育を与えること、リベラル・アーツ教育の3つを根本理念として堅持し、時代に合わせて発展させてきた。教師も学生も同じ立場で真理の探究に臨むという自由な雰囲気の伝統は今も生きている。日本の社会における女性の活躍は十分ではない。女性を自立した人間として社会に送り出す教育を行っていきたい」

 --来年、現代教養学部に2学科1専攻を新設する目的は

 「英語が国際社会の共通語になり多様化していることから国際英語学科を開設する。現代英語について学びを深め、同時に世界の中で英語で自分の考えを発信すること、翻訳、通訳など実践的な教育を行うことが目的だ。心理・コミュニケーション学科は、専攻の内容を学科として刷新し強化する。国際社会学科に新設するコミュニティ構想専攻は、街づくりや観光などに女性の視点を生かすための実践的な教育をしていく」

 --リベラル・アーツ教育とは

 「専門だけではなく幅広い教養を身に付けてもらうというのが目的で、カリキュラムに学科科目と全学共通カリキュラムを置き、同じ重みで教育を行っている。そのメリットは一つの問題に多面的に取り組む力がつくことだ。また、卒業論文を必修とし、自分でテーマを見つけて調べ、論理を構築し、結論をまとめるという主体的に考える力を育成している。全学共通カリキュラムは多彩な学びが特徴だ。本学は現代教養学部の中に文系から理系まで幅広い学科をもっており、文理融合的な視点で幅広く科目を設置している」

 --体系的なキャリア構築支援である「キャリア・ツリー」とは

 「本学の教育全体がキャリア支援になっている。正課教育では、女性のキャリア構築において必要な基礎学力や専門知識、社会人基礎力を修得することで、自己の価値観、考え方や女性ならではの視点を養い、自らキャリアを開拓できる力を養う。正課外教育ではキャリアを考えるきっかけの提供を目的としたセミナーや講座などを開催している。きめ細かく最後までキャリア・センターが支援することで、就職率は99・5%となっている」

 --英語で発信し、世界で活躍する力の養成に力を入れている

 「本学独自の英語力育成プログラム『キャリア・イングリッシュ課程』は選抜制で、2年次から4年次まで英語によるプレゼンテーションスキル、論理的ディスカッションの方法などを学び、英語で発信する力を養う。また、国際社会で活躍するための知見と素養、情報の分析・発表方法を身に付ける科目を合わせて履修し、柔軟な思考力と独創性を育てている。一方、全学生が参加できる『キャリア・イングリッシュ・アイランド』では、会話・ディスカッション・プレゼンテーションのトレーニングのほか、英語で活躍している方々を講師にセミナーや講演会を開催している」

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【プロフィル】小野祥子

 おの・しょうこ 昭和22年生まれ。45年東京女子大学文理学部英米文学科卒業、48年東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻修士課程修了。57年東京女子大学文理学部専任講師、63年同助教授、平成7年同教授。同大学現代教養学部全学共通教育部長などを歴任し、26年から現職。専門は英語史。東京都生まれ。69歳。

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