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【ゆうゆうLife】
高齢者に「食べやすい食事」指導を…管理栄養士、広がるニーズ 人材育成や活用の仕組みに課題も
学校の給食室や病院、施設などで栄養バランスやカロリー(熱量)を考慮した献立を立てている管理栄養士の活躍の場が近年、地域にも広がっている。高齢者に最適な食の形を考えたり、地域で低栄養を防いだり。だが、幅広いニーズに総合的に対応できる管理栄養士は少ない。医療や介護の報酬請求に制約もあり、活躍の環境も整っていない。「食べる」指導のあり方が模索されている。(佐藤好美)
高齢者宅で
東京都世田谷区のクリニックに所属する「地域栄養サポート自由が丘」の管理栄養士、米山久美子さんは、訪問栄養食事指導を主に行っている。家族や介護保険のケアマネジャーらから相談を受けて高齢者宅に出向き、食べやすい食事の献立を提案する。
相談内容はさまざま。
「認知症で、ふっつりと食べなくなった」
「入院中にミキサー食になった。退院後、何を食べさせればいいか分からない」
「腎臓病だが、どんな食事にすればいいか分からない」
医師と相談し、本人の状態を確かめ、何を好むか家族から聞き、誰が作るかを考えて献立を提案する。「飲み込みが難しくても、肉じゃがをフォークでつぶせば済むこともあるし、買い物に一緒に行ったら食べる気持ちがわくこともある。食べる人の行動が変わる提案をします」という。