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【話の肖像画】東京ガス会長・岡本毅(4) 「a」か「the」かで大激論

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【話の肖像画】
東京ガス会長・岡本毅(4) 「a」か「the」かで大激論

インドネシアのLNG精製施設を視察(左から2人目)=平成4年(本人提供) インドネシアのLNG精製施設を視察(左から2人目)=平成4年(本人提供)

 LNGの調達は20年間の長期契約ですから、契約書は大変分厚い。契約条文の一言一句を作り込みました。特に災害など不可抗力の事象をどう扱うかという条文が大変で、「a」にするか、「the」にするかで大激論です。58年の輸入開始まで休日もない生活でしたが、おかげで大規模な契約がどういうものか、感覚的に分かるようになりました。

 〈一段落したのもつかの間、63年にはインドネシアとの契約交渉に乗り出した〉

 「東南アジア最大(当時)のガス輸出国と日本の首都に供給する東ガスの取引がないのはおかしい」と訴え、上司を説得して交渉に入りました。同じころ、自社でLNGの輸送船を造る議論が起きました。LNGに依存する“一本足打法”のガス会社が安定供給を確保するには、調達先や契約、輸送法などを多様化するしかありません。多様化の一環として「自社船は必要だ」と訴えました。

 長年、LNG輸送を依頼していた海運会社から批判もありましたが、インドネシアの契約では東ガスとして初めて自社管理の船を採用しました。当時は東ガスと大阪ガス、東邦ガスのガス3社で組んで「ガスコンソーシアム」と呼ばれました。大ガスの担当は現大ガス会長の尾崎(裕)さん。平成2年10月に契約を締結し、一緒に祝杯を上げたのを昨日のことのように覚えています。(聞き手 会田聡)

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