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【父の教え】「すきやばし次郎」店主・小野禎一さん 仕事に自分を合わせて生きる

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【父の教え】
「すきやばし次郎」店主・小野禎一さん 仕事に自分を合わせて生きる

「やっと追いついたと思っても、見上げると父は100歩も200歩も先に進んでいる」と話す小野禎一さん (原田史郎撮影) 「やっと追いついたと思っても、見上げると父は100歩も200歩も先に進んでいる」と話す小野禎一さん (原田史郎撮影)

 印象に残るのは、その手の柔らかさだ。小学校高学年の頃、ふと握った手が、母、朝子さん(86)よりも柔らかいことに驚いた。

 「父はすしを握る手を傷めたり日焼けしてシミができたりすることを気にして40歳のころから夏でも手袋をしています。手の柔らかさは天性のものでもあり、努力の結果でもある」

 禎一さんは、高校卒業前に、「カーレーサーになりたい」という夢を二郎さんに伝えたものの、「そんなもので食えるわけがない」と一蹴された。いずれは店を継ぐ前提で、東京・赤坂の日本料理店で5年間修業した。

 「『息子を頼みます』と私のために何度も頭を下げる父を見て、これは仕方がないなと。なんと言っても長男ですから」

 24歳ですきやばし次郎に入り、すし職人の修業を一から始める。家族として接するよりもさらに厳しい父。何をやっても「お前はだめだ」と叱られ、「自分には向いていない」と悩んだこともある。

 しかし、40歳の時、当時世界一の料理人と呼ばれたスペインのフェラン・アドリア氏にすしを握り「(日本で訪ねた三十数軒のうち)次郎が一番良かった」と評価された。

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