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【父の教え】「すきやばし次郎」店主・小野禎一さん 仕事に自分を合わせて生きる

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【父の教え】
「すきやばし次郎」店主・小野禎一さん 仕事に自分を合わせて生きる

「やっと追いついたと思っても、見上げると父は100歩も200歩も先に進んでいる」と話す小野禎一さん (原田史郎撮影) 「やっと追いついたと思っても、見上げると父は100歩も200歩も先に進んでいる」と話す小野禎一さん (原田史郎撮影)

 「一連の流れが止まらないように、客席、調理場に目配りする。父がやりやすいように準備するのが私の役割です」

 オバマ前米大統領も訪れた東京・銀座の老舗すし店「すきやばし次郎」の店主、小野禎一さん(58)はこう話す。

 カレイなど淡泊な白身魚から始まり、マグロの赤身、中トロ、大トロと、大きく盛り上がり、車エビで小休止。クラシック音楽のように楽章に分かれた計20貫のお任せコース。リズミカルに握る職人の動きに、目がくぎ付けになる。

 総勢10人のすし職人の頂点に立つ父、二郎さん(91)はオーケストラの指揮者。禎一さんの役割は、楽員をまとめあげるコンサートマスター(第一バイオリン奏者)だ。二郎さんの手や顔の動きから目を離さず、ときには若い職人を調理場奥で叱り飛ばして鍛え上げる。

 「うちに修業に来ている職人は独立が目的。自分で店を持ったときに、自分で目配りできるように厳しく教えている」と禎一さん。

 幼い頃は、父母と弟の一家4人で、都内の借家の2階で過ごした。父の記憶は「静かな人」だ。早朝5時に起きて河岸(かし)(魚市場)へと向かい、戻りは深夜。話した記憶はほとんどない。「戦前の暮らしそのままに、父は一段高い所にいて、母は父に敬語で話していた」と振り返る。

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