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【科学】
野良ネコの習性利用し糞尿防止 岩手大
野良ネコの糞尿被害を防ぐ新たな方法を開発したと岩手大などの研究チームが発表した。尿に含まれる物質を庭先に置くと、侵入した野良ネコが立ち去ることを実験で確認した。ネコの習性を利用した糞尿対策として実用化を目指す。
チームは、ネコが縄張りで別のネコの尿のにおいをかぐと、イヌのように自分の尿をかけて自己主張するのではなく、そのまま立ち去ることに着目。別のネコがいると勘違いするためとみられ、この習性を対策に利用できると考えた。
尿からネコ特有のにおいがする物質を抽出し、日米の計5カ所で民家の庭先などに置いて実験。近づいてきた全ての野良ネコはこの物質のにおいをかいだ後、糞尿をせずに立ち去った。
野良ネコや放し飼いのネコの糞尿のにおいで困っている人は多い。ネコが嫌がるにおいを使った忌避剤や、超音波による撃退装置が市販されているが、個体差があり十分な効果は得られにくいという。
チームの宮崎雅雄准教授(生化学)は「ネコにストレスをかけない防止策として期待できる。効果の持続性などを調べ、企業との共同開発で商品化につなげたい」と話す。