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【国語逍遥(88)】絵解き 伝統の「語り芸」に酔った 清湖口敏

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【国語逍遥(88)】
絵解き 伝統の「語り芸」に酔った 清湖口敏

 明治の中頃までは盛んだった西光寺の絵解きは、一時期途絶えたという。復活させたのが竹澤さんの義母にあたる西光寺住職夫人、竹澤繁子さんで、昭和40年代末の頃だったとか。平成19年からは繁子さんの指導のもと、環江さんが絵解きを継承し、一昨年にはパリの大学でも口演したというから、頼もしい。

 絵解きと同じく物語、絵、語りの3つで構成される紙芝居も、今では日本独自の文化として海外にも普及し始め、作品は多くの言語に翻訳されている。演者の声や演出が臨場感をいやが上にも高め、物語への共感が聴衆の間に広がっていく。

 絵解きや紙芝居のこのような醍醐味(だいごみ)に、日本人自身がもっと注目してもよいのではなかろうか。

 私は今、遠いあの日の林間学舎を思い出しながら、ふと、苅萱の話を聴かせてくれたお坊さんは、もしや、道心その人ではなかったかと、幻想めいたことを考えてみた。

 あすは「8月24日」、苅萱道心・石童丸父子の“祥月命日”である。

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