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【大学ナビ】針路を聞く 東海大学・山田清志学長

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針路を聞く 東海大学・山田清志学長

 ■建学75周年、来年度2学部新設 科学技術立国を担う「4つの力」

 神奈川県平塚市など全国に7つのキャンパスを構える東海大学は今年、建学75周年を迎えた。文系、理系の計18学部77学科・専攻・課程を有する総合大学で、来年度には文化社会学部と健康学部を新設する。調和のとれた文明社会を建設することのできる人材の育成を目指す同大の山田清志学長に取り組みなどを聞いた。(編集委員 高橋昌之)

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 --教育理念と目指す人材像は

 「創立者の松前重義は、世界平和に貢献し、科学技術立国を担う人材の育成を建学の理念に掲げた。本学の普遍的使命だと考えている。人材育成では(1)未来を見据え課題を探求する『自ら考える力』(2)多様な人たちの力を結集する『集い力』(3)困難な課題があっても勇気を持って挑戦する『挑み力』(4)失敗や挫折を乗り越え目標を実現する『成し遂げ力』-の4つの力を重視している」

 --建学75周年を迎えて

 「創立から25年は大学の知名度向上を目指し、50年で本学の形がほぼ出来上がった。75周年は原点に返り、100周年に向けて転換を図る時期と位置付けている」

 --教育システムの特徴は

 「いろいろあるが、たとえば『チャレンジセンター』という取り組みがある。そこでは学生が企画を提案し、学部・学科・学年・キャンパスの枠を超えて仲間を集め、活動している。分野は社会貢献を目的に復興支援からものつくりなど多岐にわたる。学内の座学では体験できない感動や刺激があり、先ほど述べた4つの力を身に付けるのに役立っていると思う」

 --研究活動でQOL(quality of life=生活の質)向上に寄与している

 「QOLとは人の生き方、人や社会との関わり方について、思考・行動の質を向上させ、人生に幸福を見いだしてもらうことだ。そのためのひとつが健康で、今年度は『先端コンピューター科学を活用した創薬による再生促進法の開発』を進めている。これはコンピューターを駆使して、究極的には飲むだけで全身の組織・臓器を再生させる薬を見つけ出すという画期的な医療を実現するのが目的だ」

 --来年の学部新設の目的は

 「新設する文化社会学部と健康学部は全学で取り組むQOLの向上と密接な関係がある。文化社会学部は異なる文化の地域から共生の精神を学ぶ文化系3学科と、表現・メディア・コミュニケーションを学ぶ現代社会系3学科で構成され、その中でも特徴的なのが北欧学科だ。幸福度の高い北欧諸国に関しての学びを社会全体の健全さや生活の向上につなげていく。また、健康学部は総合大学として文理融合の教育や医工連携による研究など、『健康』を支える専門分野や領域が多彩にある本学の特徴を生かして、健康を身体、精神、社会など総合的に捉え、『健康社会』の実現を目指す」

 --「グローバル人材」の育成への取り組みは

 「本学は派遣留学生が毎年増えている一方、留学生受け入れも他大学に比べて国がバラエティーに富んでいる。最近のトピックでは東西冷戦時代からの長きにわたる本学とロシアの大学との交流の歴史を踏まえ、政府の『大学の世界展開力強化事業』として、本学の『ライフケア分野における日露ブリッジ育成』が採択された。本学とロシアの大学が海外研修や交換留学を通じて、寿命の伸長など健康関連分野に貢献する人材を養成するもので、全力で取り組みたい」

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【プロフィル】山田清志

 やまだ・きよし 昭和30年生まれ。55年早稲田大学法学部卒業、平成15年東北大学大学院情報科学研究科人間社会情報科学専攻単位取得満期退学。東海大学教養学部生活学科助教授などを経て、16年同大教養学部人間環境学科教授。同大副学長などを歴任し、26年から現職。専門は経済法、消費者法など。北海道出身。62歳。

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