産経ニュース

【話の肖像画】小児外科医・吉岡秀人(1) 医療は患者のためにある

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
小児外科医・吉岡秀人(1) 医療は患者のためにある

小児外科医・吉岡秀人(寺河内美奈撮影) 小児外科医・吉岡秀人(寺河内美奈撮影)

 僕は今、これまでのように医者として第一線に立つのとは、少し違う形になろうと思っています。そして、ジャパンハートを若返らせようと考えています。これからの2年は過渡期なんです。

 〈平成16年4月、国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」を創設。代表として多くの医療関係者をミャンマーなどの東南アジアへ送り込むとともに、自ら医師として現場に立ち、病に苦しむ子供たちへ医療を届けてきた。しかし今年6月、代表の座を降り、後任には妻の吉岡春菜氏が就任。意思決定機関である理事会のメンバーも大幅に入れ替わって若手が増えるなど、組織の態勢は大きく変わった〉

 僕は手術中にミスをする医療者を厳しく指導します。医療事故は、チームで一番低い能力の人が起こすことが多いので、その人たちの力を引き上げるためには、厳しく接していかないといけないんです。医療事故が起きて死ぬのは患者ですから。

 今年に入ってミャンマーで手術をしていたとき、これまでのように僕はミスをした看護師さんに怒りをあらわにしました。でも、その瞬間に悟ったんです。こうやって医者をやっている限りはみんなを幸せにできないって。僕は、自分に関わる人はみんな幸せにしたいと思っています。でも、自分が医者でいる限り、自分に求めるのと同じ厳しさを周りの医療者に求めてしまう。今、このタイミングが自分の生き方を変えるときだと思ったんです。

 〈ジャパンハートの活動には29年3月までに延べ3千人以上の医師や看護師がボランティアとして参加し、行った治療は15万件を超える〉

続きを読む

関連ニュース

「ライフ」のランキング