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【からだのレシピ】脂質異常症患者に光、新たな治療薬承認

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【からだのレシピ】
脂質異常症患者に光、新たな治療薬承認

 ■中性脂肪減らし善玉コレステロール増加

 血液中の脂質バランスが崩れる脂質異常症の患者数が、食の欧米化などを背景に増加傾向にある。バランスの崩れは動脈硬化を引き起こす危険因子となり、悪化すると心疾患や脳梗塞につながる。厚生労働省は、中性脂肪(TG)低下と善玉コレステロール(HDL)増加作用を併せ持つ新治療薬の国内製造販売を3日付で承認した。治療選択肢の拡大に期待が集まっている。

 今回承認された薬は「ペマフィブラート」(商品名パルモディア)。医薬品製造の興和(本社・名古屋市)が開発から手がけ、自社で創薬した。

 脂質異常症は、悪玉コレステロールや中性脂肪が高い状態、あるいは善玉コレステロールが低い状態をいう。以前は高脂血症と呼ばれていたが、値が少ないことが問題となる善玉コレステロールも含めることになり、平成19年から脂質異常症に病名が変わった。

 厚生労働省の患者調査(26年調べ)によると、継続的に治療している患者数は約206万2千人だが、予備軍を含めると3千万人という指摘もある。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と深く関わり、放置すると動脈硬化から心疾患や脳梗塞などにつながるため、予防や早期治療が重要視されている。

 承認薬は、遺伝子発現を制御する核内受容体PPARαを高い選択性をもって、非常に低用量から活性化することで血中の中性脂肪を低下させ、同時に善玉コレステロールを増加させるという。当面は中性脂肪150mg/dL以上の患者が投与の対象となる。

 今年3月からは、日本を含む世界24カ国で700以上の施設が参加する大規模臨床試験を実施。脂質異常症が引き起こす心疾患の発症や再発予防効果についての研究が進んでいる。

 興和の三輪芳弘社長は「多彩な可能性を持つ薬。多くの方の健康につなげたい」と話している。

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