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【健康カフェ(89)】高齢者と薬 効果を確認、家族も把握を

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【健康カフェ(89)】
高齢者と薬 効果を確認、家族も把握を

 80代後半の男性が、息子さんに付き添われてしばらくぶりに受診しました。息子さんは困り果てた様子で、「最近、父が動けなくなって、ご飯もあまり食べられないのです」と訴えます。

 男性はいつも奥さまに付き添われて受診し、自力で歩き、通常の受け答えもできていました。ただ、男性には若干の認知機能低下があり、服薬など身の回りの世話はほとんど奥さまがされていました。その奥さまが数カ月前に体調を崩してしまい、男性の世話ができなくなり、男性が薬を飲んでいないことが分かりました。

 男性はいくつかの病気を持っていたのですが、その中の一つに甲状腺機能低下症がありました。甲状腺ホルモン剤を服用していたのですが、この薬も切らしていました。甲状腺ホルモンは元気に過ごせるように働くホルモンで、足りなくなると、認知機能や食欲が低下したり、体が思うように動かせなくなったりします。

 息子さんにこのことを伝え、薬を処方して男性に飲んでもらうようにしたところ、食欲も出始めたようです。家族とはいえ、息子さんは父親がどんな薬を飲んでいたのか知らず、なぜ具合が悪くなっていくのか分からずに困っていたわけです。

 高齢者では、認知機能の低下で薬の管理ができなくなる▽薬を意図的にやめてしまう▽災害などで医療機関に受診できない-などさまざまな理由で薬を中断することが分かっています。薬によっては、中断することで命にかかわることもあるので注意が必要です。

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