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【話の肖像画】日本将棋連盟会長・佐藤康光(2)羽生さんは「えっ?」という勝ち方をする

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【話の肖像画】
日本将棋連盟会長・佐藤康光(2)羽生さんは「えっ?」という勝ち方をする

第76期棋聖戦五番勝負第5局で当時4冠の羽生善治さん(左)に勝ち4連覇=平成17年、松山市 第76期棋聖戦五番勝負第5局で当時4冠の羽生善治さん(左)に勝ち4連覇=平成17年、松山市

 羽生さんと過ごした中で、印象に残る言葉というのが不思議と浮かびません。対局後の感想戦のやりとりは覚えていますが…。将棋のことしか記憶に残らない体質なのかもしれませんね(笑)。ただ、羽生さんがいなければ、今の実力は保持していないと思います。羽生さんのレベルが高いから、追いつくにはどうすればいいか考える。これまで現状に満足したことは、全くありませんでしたから。

 〈自身は「1秒間に1億と3手読む」と言われ、「緻密流」の異名を取った。羽生棋聖には「羽生マジック」と呼ばれる終盤の妙手がある〉

 羽生さんは知性的な感じがして、ミステリアスな部分があります。プロでも気がつかないところで差を広げる。私はわがままなところがあり、積極的に勝負を進めるタイプ。自分が優勢になるためにプラスの点を積み重ねて、勝ちにつなげていくというのが私の思想ですが、羽生さんにはそういうのが感じられない。ある程度、相手の主張を受けて立ち、優勢の局面でも、いかに分かりやすく勝つかではなく、「えっ?」という勝ち方をする。他人がまねできない、独特の感覚があります。

 〈羽生棋聖とは、自身が失冠した平成20年の棋聖戦を最後に、タイトル戦での対局がない〉

 もう9年前ですか。40代の仕事としては、反省するところが大きいですね。羽生さんは今も3冠(棋聖、王位、王座)で、挑戦者になれば戦えるわけですから。羽生さんに挑戦するという目標を持ち続けたい。その棋聖戦で羽生さんに勝っていることも付け加えておきます。4連覇した平成17年は最終局で勝ち、防衛しました。永世棋聖資格の5連覇につながる、思い出深い一局です。

 羽生さんに運営面での相談ですか…。ありませんね。羽生さんは忙しい方ですから、私でもめったに会えません(笑)。(聞き手 森田景史)

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