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蔡焜燦氏を悼む 「人を残す人生こそが上」、「公」に尽くす日本精神を貫いた台湾人

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蔡焜燦氏を悼む 「人を残す人生こそが上」、「公」に尽くす日本精神を貫いた台湾人

蔡焜燦氏(河崎真澄撮影) 蔡焜燦氏(河崎真澄撮影)

 史上最長とされる38年もの「戒厳令」の解除から30年を迎えた15日の夏空を見届けるかのようにして、蔡焜燦氏が17日、台湾で90年の生涯を閉じた。司馬遼太郎著「台湾紀行」に博覧強記の「老台北」として登場するこの実業家。戦後の台湾を強権支配した中国国民党政権の重圧を、戦前の日本統治時代に受けた教育ではねのけて生きてきた。

 憲法停止により政治活動や言論が弾圧され、「白色テロ」と呼ばれる市民の一方的な逮捕や投獄が横行した時代。高校生だった2歳年下の実弟、焜霖氏がいわれなき罪で連行された1951年のこと。拘束された建物の周囲で蔡氏は何週間も、弟に聞こえるように日本語で名を呼んだり、日本の歌を歌ったりした、と話してくれたことがある。

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