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ゲンロン0 東浩紀さん哲学書ベストセラー 観光客がつくる新たな連帯

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ゲンロン0 東浩紀さん哲学書ベストセラー 観光客がつくる新たな連帯

「今この瞬間の行動でなく、長いスパンで考えるのが思想の役割」と語る東浩紀さん(桐原正道撮影) 「今この瞬間の行動でなく、長いスパンで考えるのが思想の役割」と語る東浩紀さん(桐原正道撮影)

 「21世紀にはナショナリズムの時代が終わりグローバリズムの時代に移行するといわれてきたがそうではなく、その2つが全然折り合いが付かないまま重なっている時代。たとえるなら頭はナショナリズムなのに体はグローバリズム、という二重人格みたいな状態になっている」

 その一方で、人類全体に通じる普遍的正義や他者への寛容を訴えてきたリベラリズムは、近年急速に影響力を失った。結果、現代の思想状況は共同体の価値観しか考えないコミュニタリアニズムと個人の動物的快楽の追求しかないリバタリアニズムだけが残り、政治の原理と経済の原理は統合されることなく別々の秩序を作り、人類全体のつながりを考えられない事態に至ったと東さんは指摘する。

 その思想的困難を乗り越えるために東さんが見いだしたのが、「観光客」という概念だ。「これまでの哲学や思想は、グローバリズムが世界を覆う時代にうまく対応できず、政治と経済の間にある観光客のような存在を考えてこなかった」。観光客は特定の共同体に所属しつつ、消費の欲望に基づいて時折別の共同体を訪ねる。大量の人が二層構造を往復する中で予期しない出会いがもたらされ、国境を越えた新たな人類の連帯を作り出す可能性も秘めているという。

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