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【書評】拓殖大学学事顧問・渡辺利夫が読む『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 世界に類がない天皇家の「万世一系」ルーツ探る

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【書評】
拓殖大学学事顧問・渡辺利夫が読む『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 世界に類がない天皇家の「万世一系」ルーツ探る

『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著

 天照大神の大和政権が出雲国に威を張る大国主命王朝を打倒。命(みこと)の鎮魂のため出雲大社を造営、みずからの子孫を大社の斎主(いわいぬし)とさせた。著者はこれを国造りの第一段階とし、第二段階を九州平定に求める。書紀では天孫降臨の地は高千穂とされているが、史実は大和からの「天孫西征」である。すでに大和の傘下にあった北九州の博多に上陸、戦いの相手は大和に唯一服従しない狗奴国(くなこく)(肥後)だった。

 戦いは予想外の苦戦を強いられ(日向三代)、南下を余儀なくされるものの、薩摩、大隅、日向にも支配圏を拡張。その間に西征で主力を欠く大和では天照大神が薨去(こうきょ)、これに乗じて饒速日命(にぎはやひのみこと)が反乱。社稷(しゃしょく)の急で日向から神武東征に向かい、大和で激戦の末、神武天皇即位となる。

 こうして読者は、神武以来はもとより、神武以前からの天皇史の連続性を確たるものとして認識できるのである。(PHP研究所・1600円+税)

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