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【書評】拓殖大学学事顧問・渡辺利夫が読む『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 世界に類がない天皇家の「万世一系」ルーツ探る

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【書評】
拓殖大学学事顧問・渡辺利夫が読む『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 世界に類がない天皇家の「万世一系」ルーツ探る

『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著 『天照大神は卑弥呼だった』大平裕著

 日本国憲法では「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である」。それはそうだが、天皇は、連綿とつづく日本の歴史の「連続性」の象徴であることが加えられねばならない。欧州やユーラシア大陸において、天子とか帝王とか皇帝などと呼ばれる権力者の交代は実に頻繁であり、日本の天皇家のような「万世一系」は他に例がない。

 日本人は民族の途切れることなくつづく歴史を天皇家の連続性の中に感得してきたのであろう。さればこそ、天皇が神代や古代史の中からどのような経緯で生まれてきたのかに無関心ではいられない。学界の外にある著者がこれほどまでに精魂こめて古代史に打ち込んできた理由の一つもそこにあるのであろう。

 本書は大平古代史の6冊目の著作であり、総集編とも呼ぶべき入魂の作品である。大平古代史は、血の通う人間の抗争と和解のドラマであり、臨場感をもって時代を彷彿(ほうふつ)させる筆法をその特徴とする。筆法を支えるものが、古事記、日本書紀、魏志倭人伝に記録される各地への頻繁な踏査である。著者は、卑弥呼(ひみこ)が天照大神(あまてらすおおみかみ)に他ならないことを立証し、次いで大神による全国統一の過程を精細に描く。

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