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【ときを紡ぐ絵本 親子とともに】『めっきらもっきら どおんどん』 見えない世界で遊ぶ

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【ときを紡ぐ絵本 親子とともに】
『めっきらもっきら どおんどん』 見えない世界で遊ぶ

『めっきらもっきら どおんどん』(長谷川摂子・作、ふりやなな・画)=福音館書店 『めっきらもっきら どおんどん』(長谷川摂子・作、ふりやなな・画)=福音館書店

 平成2年に福音館書店から刊行された『めっきらもっきら どおんどん』(長谷川摂子作、ふりやなな画)は、子供にも大人にもどこか自分の中にある不思議な感覚を呼び起こしてくれる一冊です。

 誰もいないお宮で、主人公のかんたが「ちんぷく まんぷく…めっきらもっきら どおんどん」とめちゃくちゃの歌を歌うと、大きな木の根っこの穴から奇妙な声が聞こえてきます。その穴をのぞき込んだ途端、かんたは穴の中に吸い込まれ、着いた先でへんてこな3人組のおばけと遊びだします。

 呪文のような言葉の響きに子供たちは惹(ひ)きつけられ、不思議で奇妙な世界へと誘(いざな)われていきます。子供は見えない世界の先にあるものを、怖いけれどのぞかずにはいられない好奇心と畏れを持って見ようとしていきます。そのとき創造力が育っていくのです。

 「めっきらもっきら」の音の響きは、作者の長谷川さんの好きな“迷金羅(めきら)大将”(奈良の新薬師寺にある十二神将の仏像)がきっかけになり、また、「おたからまんちん」や「しっかかもっかか」などのおばけの名前は、柳田国男らによる『分類児童語彙』(国書刊行会)から取ったそうです。意味の分からない言葉は音として迫ります。そしてそれは、異界へ通ずる言葉だと長谷川さんは述べます。

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