産経ニュース

【話の肖像画】第24代東京駅長・江藤尚志(1) ほろ苦かった「100周年」

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
第24代東京駅長・江藤尚志(1) ほろ苦かった「100周年」

退任を前に東京駅駅長室で。駅長室はJRの営業キロの起点(0キロ)に位置する(福島範和撮影) 退任を前に東京駅駅長室で。駅長室はJRの営業キロの起点(0キロ)に位置する(福島範和撮影)

 <第24代駅長には、歴代の先輩駅長が経験できない歴史的な大役があった>

 東京駅は平成24年10月に復元工事が完成し、26年12月20日に開業100周年を迎えました。着任が100周年の半年前。通常の業務をこなす合間に東京駅の歴史を頭にたたき込みました。半年間で休日は3日。毎日気が張っていたのを思い出します。

 100周年の行事の中でほろ苦い出来事がありました。記念Suica(スイカ)です。1万5千枚、東京駅での限定販売ということで、販売前日から大勢のお客さまが集まっていました。当日の始発が動き出すころには、スイカがその時点で売り切れてしまいそうなほどの人だかりに。買えなかったお客さまが駅員に詰め寄り、混乱はさらに広がりました。駅の責任者としてお客さまにおわびのアナウンスをして、駅員にも「迷惑をかけた」と謝りました。

 <その後も、27年3月に北陸新幹線金沢延伸と上野東京ライン開業、28年3月に北海道新幹線開業、今年4月にJR発足30周年と行事が続いた>

 本当にぜいたくですよね。しかし、駅長の最大の仕事はお客さまの安全と安心です。他国では駅がテロの標的になる中、テロが起きずにホッとしたところもあります。(聞き手 今堀守通)

                  

【プロフィル】江藤尚志

 えとう・たかし 昭和31年3月24日、福岡県大牟田市生まれ。成城大卒。56年4月、国鉄に入社し、東京南鉄道管理局。62年4月、国鉄分割民営化に伴い、JR東日本入社。平成3年6月から23年6月までの20年間、社長、会長などを歴任した松田昌士(まさたけ)氏の秘書。その後、JR東日本リテールネットに出向し取締役営業本部副本部長。24年4月、JR東日本に復帰し、執行役員高崎支社長。26年6月に取締役東京駅長。29年6月に退任し、ジェイアール東日本スポーツ代表取締役社長に就任。

「ライフ」のランキング