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【アート 美】「アルチンボルド展」 だまし絵に隠された知的独創性

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【アート 美】
「アルチンボルド展」 だまし絵に隠された知的独創性

「庭師/野菜」 クレモナ市立美術館蔵 Sistema Museale della Citta di Cremona - Museo Civico ”Ala Ponzone”/Museo Civico ”Ala Ponzone”-Cremona,Italy 「庭師/野菜」 クレモナ市立美術館蔵 Sistema Museale della Citta di Cremona - Museo Civico ”Ala Ponzone”/Museo Civico ”Ala Ponzone”-Cremona,Italy

 15世紀半ばから大航海時代が始まったことで、16世紀ヨーロッパの宮廷には世界各地の動植物が集まっていた。当時、それらを絵にすることは、世界を把握することを意味していた。

 「冬」の人物の背中にあしらわれているMという文字は、皇帝マクシミリアン2世を象徴し、連作全体で世界をつかさどる皇帝を賛美しているとみられている。

 「四季」に続き、1566年、世界を構成する4つの要素と考えられた「大気」「火」「大地」「水」からなる最初の連作「四大元素」が制作された。「水」には、タコやエビなど水中の生き物がびっしりと収められていて不気味さが漂う。

 奇怪でグロテスクな絵と思われがちだが、実は深い意味が隠されている。本展監修者でアルチンボルド研究の第一人者、シルヴィア・フェリーノ=パグデン元ウィーン美術史美術館絵画部長は「平和と繁栄の象徴としてさまざまな生き物が共存し、繰り返す四季と同様に神聖ローマ帝国が永遠であることを示す寓意となっている。動植物に関する彼の研究は自然科学の発展に大きな役割を果たした。きわめて知的で独創的な芸術」と解説する。

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