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【からだのレシピ】腸内環境整え熱中症に負けるな

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【からだのレシピ】
腸内環境整え熱中症に負けるな

順天堂大学医学部の小林弘幸教授 順天堂大学医学部の小林弘幸教授

 ■規則正しい食事で食物繊維と乳酸菌を摂取

 じめじめした梅雨から猛暑の盛夏へと、熱中症に気を付けなければいけない季節が続く。熱中症とは、自律神経を障害されて、人間の体に備わっている体温調節機能が働かなくなった状態のこと。この熱中症の発症に、順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「腸内環境が大きく関わっている」と話す。

 腸の機能は、栄養や水分を吸収し、蠕動(ぜんどう)運動によって残りを便として排泄(はいせつ)することにある。ところが腸内環境が悪化すると、水分を摂(と)っていても吸収されにくくなり、自律神経が影響を受けて蠕動運動が不活化する。

 小林教授は「腸内環境が整っていれば質の良い血液が全身の細胞に流し込まれるので、多少の脱水が起こっても人間は耐えられる。ところが環境が悪化するとアンモニアや硫化水素といった有害物質が血液に入って体内を巡り、わずかな脱水や気温変化にも対応できなくなる」と指摘する。熱中症の原因として小林教授がもう一つ重視するのが睡眠不足だが、ここにも腸内環境が影響する。「腸内環境が悪化すると脳におけるセロトニンの分泌が抑制され、睡眠不足を引き起こす」と、いわば悪循環に陥るわけだ。

 熱中症を予防するためには、どうしたら良いか。日常的に簡単にできることとして、小林教授はまず「朝起きたら1杯の水を飲むこと」を勧める。人間は寝ている間に発汗しているので、起き掛けはただでさえ脱水状態にあるからだ。

 また冷房は冷やし過ぎないことが大切。体温調節は温度差に対応するものだが、「7度以上になると自律神経が大きく障害される。近年は外気温が上昇しており、一方冷房の普及で室内は涼しい。昔と比べて室内外の温度差が大きくなっていることが、熱中症が増えた原因の一つ」。

 腸内環境を整えるには、食事が重要だ。まずは1日3食摂って、適度に腸を動かすこと。「長時間使わないで突然食べ物を入れると、腸はストレスに感じる。1日3度というのは理にかなっており、特に朝食をきちんと摂って体内時計をつかさどる時計遺伝子を動かすことが大切」。食事の内容面では、食物繊維と乳酸菌が重要となる。乳酸菌が入った食品の代表的なものはヨーグルト、納豆、キムチなどだが、近年はいつでも手軽に摂れる乳酸菌入りチョコレートなども出ている。チョコレートにはカカオ由来の食物繊維も含まれ、併せて摂ることができる。「これらを利用することも、熱中症を予防する一つの方法」と小林教授は話す。

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