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【書評】『写真民俗学 東西の神々』芳賀日出男著

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【書評】
『写真民俗学 東西の神々』芳賀日出男著

 ■祭りや習俗の変化を記録

 アマチュアカメラマンにとって「祭り」は心を浮き立たせる魅力的な被写体である。年に一度あるいは数年に一度の開催を待ちわび、入念に準備して町や村に乗り込んでいく。祭りは大人にも遠足のような高揚感を与えてくれる。

 こうした楽しみを多くの日本人に教えてくれたのは、民俗写真家の芳賀日出男にほかならない。本書は95歳になった大家の仕事を、4部14章構成でまとめた集大成だ。

 第1章「来訪神」は、茨城県大洗海岸に昇る初日の出の写真で始まる。ページをめくると、クリスマスの話題になり、オーストリア・ミッテルンドルフ村のニコロシュピール(聖ニコラウス祭)が文章と写真で紹介される。第6章の「仮面」では、パプアニューギニア・シンシンの祭りにおける極楽鳥の冠と奈良・當麻寺(たいまでら)の練供養(ねりくよう)や沖縄の弥勒(みろく)神がつなげられていく。被写体が日本にとどまらず、世界の101カ国に及んでいるため、洋の東西を往還できるのである。

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