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【書評】『やすらぎの郷(さと) 中 第46話~第90話』倉本聰著

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【書評】
『やすらぎの郷(さと) 中 第46話~第90話』倉本聰著

 ■戦闘モード、いまだ衰えず

 倉本聰ほど“全身脚本家”と呼ぶべき人はいないだろう。小説には目もくれず82歳になった今日でもひたすら脚本だけを書き続けてきたからだ。その倉本が4月から手がけているのが昼の帯ドラマ「やすらぎの郷」である。本書はその脚本集で「上」「中」「下」全3巻の2巻目に当たる。倉本というと夜の連続ドラマだが、この時間の帯のドラマにこだわって自らテレビ朝日に売り込んで実現させたものだ。ニュースと芸能話のワイドショーか若者番組でシニアの見るドラマがないとの不満に応えようとして企画した。さらに表層を追うだけで人間を掘り下げない現在のドラマへの危機感があった。だから放映前は辛辣(しんらつ)なドラマ批判がくり広げられる問題作になるかと思ったのだがそうではなく穏やかな元業界人からなる〈老人たちのラブ・コメディ〉に仕立てあげていた。

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