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【書評】『「生きよ」という声 鮎川信夫のモダニズム』岡本勝人著

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【書評】
『「生きよ」という声 鮎川信夫のモダニズム』岡本勝人著

 ■詩を読み、詩を大切にする

 戦後詩の旗手、鮎川信夫(1920~86年)はどのような意識で活動したか。その軌跡を多角的な視点で見つめる評伝だ。著者は1954年生まれの詩人。

 鮎川信夫は「新領土」などモダニズム系詩誌に拠(よ)って戦前に詩作を開始。その都市的感性が戦後どう変化していくか。「抒情(じょじょう)性」を基点に解き明かすことになる。〈鮎川の直観による詩は、純粋経験から浮かびあがるイマージュ像を拡大しては深化させ、多様なことばのポエジーをひとつの河に流露として流れ込ませているかのようだ。それは、拡散した「現代」の映像の一極を微細的に描く今日の現代詩人たちとは別のものだ〉。鮎川信夫の詩を読むことは現在の詩を知ることである。

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