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【広角レンズ】桑原武夫氏の蔵書廃棄 背景に図書館への寄贈本問題

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【広角レンズ】
桑原武夫氏の蔵書廃棄 背景に図書館への寄贈本問題

京都市右京中央図書館内の「桑原武夫記念コーナー」。愛用品や年譜パネルなどを中心とした小規模な展示=京都市右京区 京都市右京中央図書館内の「桑原武夫記念コーナー」。愛用品や年譜パネルなどを中心とした小規模な展示=京都市右京区

 京都大人文科学研究所を拠点に戦後活躍した知識人グループ「新京都学派」の代表的存在で、文化勲章も受章した仏文学者の桑原武夫氏(1904~88年)。その没後に遺族が京都市に寄贈した蔵書が廃棄されていたことが分かり、問題となっている。背景を探ると、図書館の抱えるさまざまな事情も見えてくる。(磨井慎吾)

                   

 「桑原先生の蔵書を、こともあろうに京都市が廃棄するなんて…」

 京都市教委は今年4月、京都市名誉市民でもあった桑原氏の没後に遺族から寄贈された約1万冊の蔵書を遺族の意向を確認せず誤って廃棄していたことを発表。市民らから50件以上の苦情が殺到したという。

◆重複図書扱いに

 蔵書は当初、同市国際交流会館内に設けられた「桑原武夫記念室」で、来訪者が手に取れる開架式で保管していた。右京中央図書館に記念室を移設した平成20年、蔵書は図書館の本と重複が多かったため、別の場所にある倉庫で保管。27年末に倉庫を改修する際、蔵書の利用頻度が低いため目録があれば現物がなくても対応は可能だと判断し、当時副館長だった女性職員が独断で廃棄を決めたという。市教委は4月、この職員を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。

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