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【クローズアップ科学】日本版GPS衛星「みちびき」 自動運転にマラソンに…高精度の位置情報、活用期待

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【クローズアップ科学】
日本版GPS衛星「みちびき」 自動運転にマラソンに…高精度の位置情報、活用期待

IT社会の切り札に IT社会の切り札に

経済効果2兆円

 みちびきはIT(情報技術)分野などに革新をもたらし、さまざまなビジネスや防災に役立つと期待されている。内閣府の担当者は「無人化や省力化といった次世代サービス創出の切り札になる」と話す。

 農地でトラクターを無人で走らせると、従来はタイヤで作物を踏んでしまう恐れがあった。だが1号機を使って実験したところ、40センチ間隔で植えた稲の間を幅30センチのタイヤで無事に走行できた。農業の人手不足解消に活用できるかもしれない。

 GPSの位置精度だと道路の車線の違いは分からないが、みちびきを使えば区別できるため、車の自動運転に役立つ可能性がある。小型無人機ドローンを使って離島に荷物を運んだり、マラソンで走った距離を正確に把握したりする実験も行われている。

 3号機だけは静止軌道に投入し、災害時に役立つ機能を搭載する。被災者の安否や避難所の状況などを、通信網が途絶しても防災機関に伝達できるようにする。

 政府は国内需要だけでなく、みちびきが上空を飛ぶ東南アジアやオセアニア地域にシステムや受信機を輸出できるとみており、経済効果は東京五輪が開催される2020年に2兆円超と見積もる。

 宇宙政策委員会の宇宙民生利用部会長を務める中須賀真一東大教授は「アイデア次第で大きな可能性を秘めている」と指摘する。一方で、受信機を幅広い分野にどう普及させていくかなど課題もある。社会に利便性をどこまで示せるかが鍵になりそうだ。

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