産経ニュース

久坂部羊さん「テロリストの処方」 医療制度崩壊…社会派ミステリー

ライフ ライフ

記事詳細

更新


久坂部羊さん「テロリストの処方」 医療制度崩壊…社会派ミステリー

「医療現場の矛盾や疑問を描いていきたい」と話す久坂部羊さん 「医療現場の矛盾や疑問を描いていきたい」と話す久坂部羊さん

 医療格差が広がる近未来の日本を舞台にした『テロリストの処方』(集英社)は、医師で作家の久坂部羊さんの力作。医療制度が破綻し、勝ち組と負け組に二極化された社会で起きる危機を予見し、問題提起した社会派ミステリーだ。

 勝ち組の医師を狙った連続テロが発生。犯人が残したメッセージ「豚ニ死ヲ」を手掛かりに、勤務医から医事評論家に転身した主人公の浜川は、犯人探しに関わっていく。公的医療保険に加入しない人が2千万人に上り、患者がたらい回しされる一方で、セレブ向けの高級医療との格差が広がる。犯人は、そんな社会に恨みを持つ者なのか…。

 「若い人の中には無保険の人もおり、医療制度のそんな現状を考えてもらえたら」と久坂部さん。実際、国民皆保険制度の限界が指摘されるだけに、小説が現実味を帯びて迫ってくる。

 登場する医師たちも、美容業界で成功した形成外科医や全日本医師機構の総裁ら勝ち組に対し、ホームレスに転落した負け組医師と、構図が際立つ。

続きを読む

「ライフ」のランキング