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「今様」展 伝統技法に息づく最先端

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「今様」展 伝統技法に息づく最先端

山本太郎「紅白紅白梅図屏風」2014年、個人蔵 cTaro YAMAMOTO,courtesy of imura art gallery 山本太郎「紅白紅白梅図屏風」2014年、個人蔵 cTaro YAMAMOTO,courtesy of imura art gallery

 過去の美術と現代作家の作品を同時に展示した「今様(いまよう)-昔と今をつなぐ」展が、東京都渋谷区の松濤美術館で開かれている。タイトルの「今様」とは現代的とか当世風といった意味で広く使われてきた言葉。その言葉をキーワードに、伝統技法に接点を持つ6人の現代アーティストを紹介した企画だ。

 漆という素材を多面的にとらえ、螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)といった伝統技法を駆使して現代性を取り込む作品を制作しているのが京都在住の造形作家、染谷聡だ。「おすましる代」という作品は、黒い地に漫画を思わせる軽い絵柄。形はユーモラスで軽快。お椀からわき出る不思議な造形物は湯気だという。ウイットに富み、意表を突く。

 琳派をモチーフにした絵画で知られる山本太郎は自身の作品を「ニッポン画」と呼び、古典絵画を現代の視点で再構成。尾形光琳の有名な「紅白梅図屏風」を手本にした「紅白紅白梅図屏風」では、構図はそのままに巧みな技術で紅白梅を描いている。川は紅白の流水模様。その源流には、さりげなく飲料水の缶が置かれ、水が流れ出ているのだ。時代を感じさせる要素を盛り込む意外な仕掛けが面白い。

 満田晴穂(みつたはるお)は、動物や虫を写実的に表現する金属工芸の自在置物を、銅や真鍮(しんちゅう)などの非鉄金属で制作する。生き物を原寸大で緻密に再現した作品は本物と見まごうほど。単なる再現ではなく、ムカデを布団の上に置くなどして、見せる工夫がなされている。

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