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【話の肖像画】中国人風刺漫画家・辣椒(1) 帰国したら逮捕されていた

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【話の肖像画】
中国人風刺漫画家・辣椒(1) 帰国したら逮捕されていた

日本の支援者に支えられ風刺マンガを描き続けている (矢板明夫撮影) 日本の支援者に支えられ風刺マンガを描き続けている (矢板明夫撮影)

 〈中国のインターネットで多くの風刺マンガを発表し、人気を博した辣椒氏は2014年5月、妻とともに日本に“政治亡命”した〉

 友人の招待で妻と日本観光に来ていたんです。帰国する直前、中国共産党の機関紙、人民日報のウェブサイト「人民ネット」で、私を名指しで批判する論文が掲載された。「辣椒は非国民だ。彼のような人物を法で裁くべきだ」といった内容でした。その直後、天津日報の「天津ネット」、上海の解放日報の「解放ネット」など各地方の官製メディアが一斉にこの論文を転載しました。同時に、私が登録していた微博(中国版ツイッター)のID、ホームページ、ブログが同時に削除され、自分が経営していたネット通販の店にもアクセスできなくなりました。「今、帰国したら逮捕される」と思い、急遽(きゅうきょ)、日本に残ることを決めました。

 〈祖国に帰れなくなった見ず知らずの中国人漫画家夫婦に、多くの日本人が支援の手を差し伸べてくれた〉

 私たちは当時、夏服しか持っていませんでした。お金もあまりない。夫婦でとりあえず、大阪の入国管理局に駆け込みました。窓口の人は親身になって相談に乗ってくれました。「政治亡命の申請は非常に難しいが、大学や研究機関に所属すれば、日本に滞在できる」と教えてくれたんです。その後、中国の問題に関心がある日本の学者やジャーナリスト、弁護士など多くの人に助けられました。最後は埼玉大学の研究員になることで、滞在ビザを発行してもらうことができました。

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