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【アート 美】「雪村 奇想の誕生」展 戦乱の世に愛らしい絵を描き続けた謎の画僧 尾形光琳も私淑

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「雪村 奇想の誕生」展 戦乱の世に愛らしい絵を描き続けた謎の画僧 尾形光琳も私淑

雪村周継「欠伸布袋・紅白梅図」 室町時代(16世紀) 茨城県立歴史館蔵 雪村周継「欠伸布袋・紅白梅図」 室町時代(16世紀) 茨城県立歴史館蔵

 奇抜なポーズの仙人やユーモラスな布袋、はたまた品格のある山水画もある。「奇想の画家」の元祖として近年、高い評価を得ているのが戦国時代に活躍した画僧、雪村周継(せっそん・しゅうけい)だ。海外からの里帰り作品や重要文化財など主要作品を一堂に集めた回顧展「雪村 奇想の誕生」が、東京の東京芸術大学大学美術館で開かれている。

 会場でひと際目立つのが代表作の「呂洞賓(りょ・どうひん)図」(大和文華館蔵)だ。呂洞賓とは中国の仙人。龍の頭に乗り両手を大きく不自然に広げ、首の骨が折れそうなほどに天を仰ぐ仙人。その周囲では風が吹き荒れ、衣装が乱れる。ピンと伸びた長いヒゲの一本一本の緻密な線と、衣装を描いた太く力強い線が対照的で、大胆さと繊細さを併せ持つ。画面上部には龍、左手に持つ壺からも龍が現れ、まさに龍づくし。呂洞賓を主題にした作品はほかにも何点かあり、どれも個性があふれる。

 雪村の生涯は謎に包まれ、詳しいことはわかっていない。1500年ごろ、常陸国部垂(へたれ)(現在の茨城県常陸大宮市)の戦国武将の一族に生まれたが、幼くして出家し画業に専念した。会津や鎌倉、奥州の各地を放浪し、由緒ある寺で名僧や名画に接して自身の表現を磨いたとされている。80代半ばまで生き、生涯のほとんどを東国で過ごした。没後は狩野派をはじめ、多くの絵師に模写されるほど実力と人気を誇っていた。

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