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【インテリア最前線】もうひとつのペルシャ絨毯「ギャッベ」 かわいさ一生モノ 遊牧民の芸術品

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【インテリア最前線】
もうひとつのペルシャ絨毯「ギャッベ」 かわいさ一生モノ 遊牧民の芸術品

神秘的なペイズリー、パッチワークのように並ぶ動植物のモチーフ。「ギャッベ」は一点物の芸術品だ=東京・有楽町 神秘的なペイズリー、パッチワークのように並ぶ動植物のモチーフ。「ギャッベ」は一点物の芸術品だ=東京・有楽町

 ザクロや糸杉、鹿など独特のモチーフは、量販店の絨毯に模倣されるほどのトレンドだが、「本物は、羊を育て、紡ぎ、染め、祈りや思いを込めた図柄を織り、洗い、仕上げまで手作業。品質に触れてほしい」と為我井店長。店では4月1~9日、400枚規模の大ギャッベ展を開催する。

しっとり柔らかな密度

 ギャッベの普及に努めてきたのが神戸市「絨毯ギャラリー」の大熊克巳会長(74)と長女の直子社長(46)だ。脱サラで絨毯商をしていた克巳さんは、イラン革命(1978~79)で商社からの輸入が途絶えた際、単身イランに乗り込み現金で絨毯を仕入れた猛者である。

 遊牧民を組織化して品質管理する「ゾランヴァリ」社のギャッベに特化して売り上げを伸ばし、現在年間1万平方メートル分を輸入。日本で100社に卸し、6年前から販売員育成の「シルクロード絨毯塾」を開いている。産地での遊牧民合宿もあり、前出の為我井さんも50人の卒業生のひとりだ。

 3月11、12日、東京・有楽町で開いたペルシャ絨毯の展示会では、販売された計40枚のうち実に9割をギャッベが占めた。

 「最近はチクチクする固い夏の羊毛や化学染料、中国やインド生産でも『ギャッベ』として出回っている。本物との違いは肌で分かります」と大熊さん。靴を脱いで絨毯に上がると足裏を押し上げるような、しっとり柔らかな密度が伝わってきた。

 年中快適な自然の敷物…、といえば畳と同じ。ギャッベに寝そべる日本人の姿に、和室が消えゆく現代日本の住宅事情と、天平8(736)年のペルシャ人来日(「続日本紀」より)を起源とする、悠久の親しみが浮かんだ。

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