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吉川英治文学賞の藤田宜永さん「デビュー30年、ひとつの節目に」

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吉川英治文学賞の藤田宜永さん「デビュー30年、ひとつの節目に」

受賞が決まった宮内悠介さん、藤田宜永さん、本城雅人さん(左から) 受賞が決まった宮内悠介さん、藤田宜永さん、本城雅人さん(左から)

 第51回吉川英治文学賞(吉川英治国民文化振興会主催)と第38回同新人賞などが今月発表され、受賞者の記者会見が東京都内で行われた。

 「作家デビュー30年に出版した作品で受賞でき、ひとつの節目になりました」と喜びを語ったのは、同文学賞を射止めた藤田宜永さん(66)。受賞作『大雪物語』(講談社)は、各地で積雪量歴代最多を記録した平成26年2月の豪雪をきっかけに生まれた短編集。長野・軽井沢に住む自身の経験を基に、避難所を設ける花屋や救助にあたる自衛隊員の秘密など、非日常下での人間模様を描いた。「自分も5日間ぐらい家に閉じ込められた。不安を抱えながら『これを書いてみようかな』と思った」

 同新人賞に決まった本城雅人さん(51)の『ミッドナイト・ジャーナル』(同)は、殺人事件を追う新聞記者を描いた長編ミステリー。本城さんは元スポーツ紙記者でこれまでも業界を題材としてきたが、「担当編集者から『もう記者の話は書けないくらいの一冊を』といわれた作品で、欲しかった賞をもらえた」と話した。

 同じく新人賞を受賞した宮内悠介さん(38)の『彼女がエスパーだったころ』(同)は、科学では捉えきれない超常現象を通し、人間を見つめ直す連作短編集。宮内さんは「受賞は青天の霹靂(へきれき)」と控えめに語った。(油原聡子)

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