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【道徳教科書検定合格】視点 問われる教員力量、意識改革なるか

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【道徳教科書検定合格】
視点 問われる教員力量、意識改革なるか

教科化に伴う初の検定に合格した小学校の道徳教科書の一部 教科化に伴う初の検定に合格した小学校の道徳教科書の一部

 平成30年度から使用される小学校の道徳教科書の初の検定が終わり、計8社の24点全てが合格した。

 検定結果について、現在正式な教科ではない「道徳の時間」で使用される定番の読み物が複数取り上げられ、「各社とも初回は安全運転した」(文科省幹部)との見方もある。ただ、登場人物の心情理解・共感でとどまっていたと指摘される「読み物道徳」から、議論を通じ意見の異なる相手との折り合いや諸問題を自分ごととして捉え、実践に結びつけさせる仕掛けも少なくない。

 むしろ、今後問われるのは教員の力量だ。教科書を使いこなし、記述式評価を通じて児童の道徳的価値の自覚や実践をどれだけ促すことができるのか。熱心な教員とそうでない教員との指導力が二極化し、後者が多いとの指摘もあり、必ずしも楽観できない。

 2月に行われた日教組の教研集会では、「子供たちが道徳的価値を身につけたかのように振る舞ったり、本音と建前を使い分けるようになる」と、いまだに道徳の教科化を批判する声も聞かれた。児童の言動を見抜けないようではプロの教員として甚だ心許ない。

 授業で積極的に発言する児童以外に、寡黙な児童の成長過程もじっくりみることが求められる。掃除時間や放課後などでの行動も対象になろう。評価では教員の確かな洞察力や観察眼が前提となることは言うまでもない。道徳の教科化の最大の狙いは教員の意識改革である。(花房壮)

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