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【話の肖像画】米国立衛生研究所感染症部長・満屋裕明(5) 闘いは終わらない

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【話の肖像画】
米国立衛生研究所感染症部長・満屋裕明(5) 闘いは終わらない

次の新薬を目指して研究を続ける (川口良介撮影) 次の新薬を目指して研究を続ける (川口良介撮影)

 〈エイズ治療の新薬を次々と世に送り、研究の最前線を駆け抜けてきた〉

 AZT(アジドチミジン)に続いてジダノシン、ザルシタビン、ダルナビルと、これまでに4つのエイズ治療薬を開発することができました。それらも含め20種類ぐらいの治療薬が登場してきたことにより、最近では複数の薬を組み合わせて患者に投与する多剤併用療法が実現しています。

 薬には必ず副作用があり、そのせいで、本来の効果は素晴らしいのに治療に使い続けられないことがあります。副作用を減らすにはどうすればいいか。得られる効果が100の薬が2種類あるとしましょう。半分ずつ使うと、それぞれの効果は50ですが、合わせれば100になる。しかし、副作用の種類が違えば、それが出る確率を大幅に減らせるんです。

 結核やがんの治療で成果を挙げた治療法で、AZTしかなかった時代には不可能でしたが、エイズ患者の死亡率は劇的に下がりました。

 〈ただ、エイズウイルスは増殖の過程で変化を繰り返し、薬剤への耐性を獲得する〉

 エイズウイルスは性質がコロコロと変わっていくのが特徴なので、常に新しい治療薬の開発が求められる。僕も現在、米国立衛生研究所(NIH)での活動のほか、日本で国立国際医療研究センターと熊本大学に拠点を設けて2種類を開発しています。

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