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両陛下観賞臨まれた「ベトナム雅楽」 復活尽力の教授「生きた伝統に」

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両陛下観賞臨まれた「ベトナム雅楽」 復活尽力の教授「生きた伝統に」

 天皇、皇后両陛下はベトナム・フエの王宮で、4日に宮廷音楽「ニャーニャック」を観賞される。ニャーニャックは漢字で「雅楽」と表記され、日本の雅楽と同じ源流を持つ。宮廷が消滅して伝統は一時途絶えたが、聖徳大学の徳丸吉彦教授(80)=音楽学=らの尽力で復活した。両陛下も現地で演奏を聴くことを望まれていたという。

 ニャーニャックはオーボエの一種「ケン」や、横笛「サオ」などの楽器を用いた速いテンポが特徴。15世紀に中国から伝わった音楽を基礎とし、宮廷音楽として確立された。一方、日本の雅楽も唐代の中国の音楽の影響を受けたとされる。

 ニャーニャックは主にフエの宮廷で演奏されてきたが、1945年に阮(ぐえん)朝が滅亡したことで、奏者が離散。後のベトナム戦争が追い打ちを掛け、「忘れ去られた音楽となっていた」(徳丸教授)。

 徳丸教授は94年の国際会議で、国立フエ大学芸術学部(現フエ音楽院雅楽科)に「宮廷音楽専門コース」を設けることを提言。元奏者の講師を確保し、96年に開講に至った。卒業生の多くは現地音楽団に入り、普及活動を行っている。

 平成19年のグエン・ミン・チェット国家主席(当時)夫妻来日の際には、両陛下が臨席される中、同行した音楽団が皇居でニャーニャックを披露。天皇陛下はこの日の宮中晩餐(ばんさん)会で「(日越の)2つの雅楽がたどってきた長い歴史を思い、貴国の音楽への理解を深め得たことはうれしいことでした」と述べられた。

 今回は約10年ぶりに実現する、両陛下ご臨席のもとでの本格的な生演奏となる。徳丸教授は「両陛下のご訪問を機に、今後も生きた伝統として継承されてほしい」と話した。

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