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【マンスリー将棋】引退前…刻み続ける記録 加藤九段

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【マンスリー将棋】
引退前…刻み続ける記録 加藤九段

佐藤天彦名人との新旧名人対決に臨んだ加藤一二三九段=将棋会館 佐藤天彦名人との新旧名人対決に臨んだ加藤一二三九段=将棋会館

 引退が決まっている現役最高齢棋士の加藤一二三九段(77)が8日に行われた第88期棋聖戦(産経新聞社主催)2次予選で佐藤天彦名人(29)と対戦した。昭和57年に名人を奪取したことのある加藤九段にとっては、48歳も年下との前例のない新旧名人対決となった。昨年12月には14歳2カ月の最年少プロと62歳差の歴史的対局を行い、今年1月20日には最年長勝利記録を樹立するなど、引退を控えて残る対局が次々と棋史に残る1ページを刻み続けている。

 歴代最多の公式戦通算2501局目となった8日の対局は、後手となった加藤九段が裏芸ともいえる横歩取りに誘導し、大駒が飛び交う大激戦となった。受け将棋の佐藤名人は「序盤の早い段階から激しく攻められ、自分も積極的に踏み込みました」。敗れた加藤九段は「攻めていったんですが、最後は桂打ちが厳しかった」と話した。

 昭和57年の第40期名人戦で中原誠十六世名人を倒した加藤九段は翌年、当時21歳の新鋭・谷川浩司八段に敗れたが、タイトル獲得は名人1期など通算8期。通算勝利数は大山康晴十五世名人、羽生善治棋聖に次ぐ1324勝。負けた数は歴代最多の1176敗(19日現在)。「勝ち星は谷川さんや羽生さんに抜かれるかもしれないが、対局数だけは誰も抜けないと思いますよ」と誇らしげだ。

 将棋界の「生きる伝説」として数々の話題を提供してきた加藤九段。今後、NHK杯や王将戦など予定されているすべての対局に負けた時点で63年間の現役生活に終止符を打つ。(藤田昌俊)

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