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【話の肖像画】トラベルライター・兼高かおる(4) 日本の良さが失われてゆく

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【話の肖像画】
トラベルライター・兼高かおる(4) 日本の良さが失われてゆく

西アフリカのベナンで=昭和40年代 西アフリカのベナンで=昭和40年代

 〈最近の日本の若者は、チャレンジや冒険を嫌い、安定志向だけが強い。海外旅行に行きたがらず、留学生も減っている〉

 日本人としての基本は衣食住にありますが、豊かになりすぎたのでしょうか。今やそれがあって当たり前、大切さを忘れてしまっているのです。だから、日本でこんなに便利で快適な生活をしているのに、なぜ、わざわざ苦労をしに外国へ行かねばならないのかと思うのでしょうね。インターネットさえあれば、日本も外国もない、すべて事足りるというのですか? それでは「自分を育てる」ことはできません。日本人の知的好奇心はどこへ行ってしまったのでしょうか? 資源もない島国で、いざ地球上に問題が起きたとき、いったい誰が助けてくれるのですか?

 最近は日本の国力が落ちているような気がします。世の中が「平等」ということを言い過ぎることが原因の一つかもしれません。優秀な人を伸ばさねば国力は落ちてゆきます。みんな手をつないで一緒にゴールインなんて、まともな顔をしていう人の気がしれません、おかしいでしょ。

 富についても同様だと思います。富があるからこそすぐれた芸術や文化が生まれた側面もある。経済は人の生活を左右する、アメリカも経済で発展してきたのです。トランプ氏(現大統領)の豪華な自宅を訪問した安倍晋三首相はどう感じたでしょうね。

 私は、いわゆる貧乏旅行にも賛成できないのです。だって日本人は貧乏じゃないでしょ。せっかく海外へ行くのならお金がなければ見られない芸術を見る、おいしいものを食べる、その経験が「宝物」になります。(聞き手 喜多由浩)

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