記事詳細
【クローズアップ科学】
理研、119番以降の「新元素」実験開始へ 露と再び対決 ニホニウムに続く「連勝」狙う
日本初の新元素「ニホニウム」(原子番号113番)を発見した理化学研究所のチームが、次の新元素に挑む実験を近く開始する。狙うのは未知の119番と120番。ロシア側との国際競争に再び勝利できるか注目されそうだ。(伊藤壽一郎)
米国と共同研究
元素はあらゆる物質を構成する基本要素のこと。92番のウランまでは自然界に存在するが、より重い93番以降は加速器で人工的に合成して見つけ出す。現在は118番まで見つかっており、理研が挑戦するのは、その先の領域だ。
ニホニウムの実験では83番のビスマスを標的に、30番の亜鉛を加速器を使って超高速で衝突させ、核融合反応により113番を合成した。新たな実験では標的を96番のキュリウムに変更。23番のバナジウムをぶつけて119番、24番のクロムをぶつけて120番の合成を目指す。
113番はロシアと米国の共同チームと争ったが、新実験では米国と手を組む。放射性物質のキュリウムは国内生産が困難なためで、米オークリッジ国立研究所から提供を受けて共同研究の形をとる。
ぶつける元素が標的と比べてより軽くなるため、合成した新元素は113番よりもゆっくりと広い角度に飛び出す。これに対応するため、新元素を取り出す分離装置を新たに開発した。稼働の準備は整っており、「近日中に実験を開始する」としている。



